光と細胞の変化ジョン・オット博士は、光が生体器官にどれほど大きく、はっきりした影響を与えるかを「スペクトルの探求」(Exploring the Spectrum)というタイトルの映像に収めた。彼は、顕微鏡でイロデア草(カナダ藻)の細胞の葉緑体(葉緑素に含まれる成分)の挙動を観察し、日光のもとではすべての葉緑体が典型的な流動パターンに従って細胞内を規則正しく動きまわることを発見した。ところが、観察に用いる光が、紫外線をカットするふつうのガラスを通ったり、紫外線を含まないふつうの白熱灯を用いた顕微鏡光源の中を通ってくると、葉緑体の多くは正規の流動パターンから外れ、のろのろと動いて細胞の片隅にかたまってしまう。長波長の光だけ透過する赤いフィルターを使って葉緑体に光を照らすと、正規のパターンで動くもの、まったくパターンから外れるもの、近道をするものなどがでてきた。次に、短波長の光だけ透過する青いフィルターを使うと、元の正規のパターンに戻るものや、正規のパターンから外れたままのもがでてきた。一方、近道したものは近道を始める前とは違う位置に動いていった。博士はまた、顕微鏡の光源に長波長の紫外線を加えると、より日光に近い光になり、葉緑体はすべて正規のパターンに戻ることも発見した。通常の一日が終わる頃には、葉緑体も人間と同じように次第にのろのろした動きになって活動を止め、夜間には動かずじっとしている。こうした休息期間があってこそ葉緑体は再び光エネルギーに反応し、翌日には問断ない通常の活動パターンを再開できる。したがって、」光源の変化に伴って植物細胞の機能が変われば、光合成の正常なプロセスやそれに伴う細胞の化学反応の影響を与えることになるであろう。細胞へのこうした影響は、ドイツのフライベルク大学で行われた研究でも実証された。光が不適切ならばとりもなおさず植物は機能を果たさなくなり、光が適切ならば植物は正常に育つということがこの研究で鮮やかに示されている。
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光による様々な効果
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