光こそ新しい医療開明的な先駆者たち 光の物理的な属性、科学的な特性、治療への応用、そしてあらゆる生物との関連について、歴史をゆるがせたたくさんの偉人が語っている。最初に医療に効果があると唱えた人々の中には、ヘロドトス(ヘリオセラピーの父)、アウレリウス・ケルスス(一世紀の医師および医学関連の作家)、クラヂィウス・ガレノス(ギリシアの医師)、アヴィセンナ(アラブの哲学者および医者)がいる。直観に頼ったこうしたヒーラーたちは、太陽(光)を神と崇め、自分の経験から、光が生命を与えたり、維持したり、健康を回復させることができると認識していた。古代の先駆者たちが光治療の信頼性を医学的に確立する一方で、光の物理的な属性を考察したり、科学的な特性を発見する人々もいた。例えばアリストテレスは、光が波となって伝わると信じていたし、ユークリッドは直線的に伝わると仮定していた。二世紀のアレキサンドリアの天文学者プトレマイオスは、光が性質の違う二つの媒体で曲がることに気づき、屈折現象を発見した。1672年、アイザック・ニュートンはプリズムを用いて、光が虹のさまざまな色か(可視光スぺクトル)からできていることをはじみて発見した。そして1676年にはオーリー・レーマーによって、はじめて光の速度が測定された。昔のこうした医者、天文学者、物理学者が光の科学的な研究に専心する一方で、ヒポクラテス、プラトン、フォン・ペクツェリ、シェクスピア、デカルトらは、光の重要性に気づいただけでなく、眼は神の光と人間の心を結ぶ橋であると述べている。体や心や魂を照らす眼こそ、人間の存在全体にたどり着く入口であるということをはっきり認識していたのである。しかしながら、世界中の医師が日光の冶癒特性を充分に知るようになったのは、1800年代に入ってからのことであった。この時期には、ちょっとした炎症、麻痺から結核にいたる病気に、光による治療が求められていた。その後1870年代は、めざましい躍進への先駆けの時期となった。光を治療に利用していた医師たちは、直接日光を用いることが多かったのだが、色とその多彩な効果にも注目し始めたのである。1876年、オーガスタス・j・プレンズントン将軍は自著「青色と日光」の中で、青色のガラスと透明のガラスとを交互にはめ込んだ特製の温室でブドウを栽培すると、品質、収穫量、大きさが飛躍的に向上すると語っている。また、青色の光は動物や人間の病気を治すのにも効果があると述べている。彼の発見によると、動物に青色の光をあてると、病気によっては回復することもあるし、繁殖力が増したり、体の成熟が速まる。人間に青色の光をあてると、痛みを伴う病気の治療にとりわけよく効くこともわかった。認可された特許について、彼は次のように述べている。 実験と治療から、太陽の熱線と青色の電灯の光をこのように併用して人体の腺、神経系全般、さらに人間や動物の分泌系を刺激すると、特定の特殊な効果が現れることも私は発見した。そうした効果は、病気、とくに慢性病、分泌や発汗の腺の機能障害で起きる病気の治療に大切な要素とる。健康を維持している生命力の流れに新鮮な活動や力を与えたり、流れが乱れたときにはそれを回復させるからである。 100年前に書いたこの書の中でプレズントンは、自然の光にしろ人工の光にしろ、青色の光を使うと、人や動物の腺、神経系、分泌障害を効果的に刺激できると述べている。彼の考えによると、体は(東洋医学で述べられているように)生きたエネルギー系そのものであり、鍼治療師の自然の師である(太陽)によって一貫してバランスが保たれている。プレストンの発見は、科学的な根拠に欠けているという理由で、物議をかもしたり馬鹿にされたりしたが、彼に続く人々に与えた衝撃はとても大きかった。1877年に脚光を浴びたのは、日光(特にスペクトルの端の紫色)がバクテリアの殺菌にきわめて有効であるという発見とセス・パンコースト博士の著書「青色光と赤色光」の発刊である。著名な医師だったパンコースは、赤色または青色ガラスのフィルターを通した日光を使い神経系を刺激したり弛緩させたりすることによって、体内のバランスを調整した。 1878年、エドウィン・パピット博士の古典的な著書「光と色の原則」が刊行されると、医師たちは驚愕した。この本は、光と色の研究については当時隋一の信頼できる書であった。先人たちと違ってパピットは、色のついたガラスをはめ込んだ窓から差し込む日光を利用して人々を治療したばかりか、色のついたフィルターを自然の光や人工の光と組み合わせてさまざまな装置を考案した。その一つであるクロモヂィスクは、特定のフィルターを組み合わせて調整した後、治療したい体の箇所に光を集中してあるものである。パピット博士は、特殊な「ソーラー万能薬」も開発した。これは、特製のクロモレンズのフィルターを通して日光を照射した水のことである。博士によると、この「力を与えられた」水は、特製のフィルターの中に活力を与えるエレメントのエネルギーを蓄えるので、治療の力がとても強い。色彩療法家の多くは現在でも、太陽を利用した医薬品をつくって使用している。はじめてスペクトルの赤色と青色の領域を治療に使ったパンコーストと異なり、パピットはさまざまな色合いを組み合わせて治療の幅を広げた。とうてい手に負えない病気の治療にしばしば成功した彼を、奇跡を起こす男と思った人も多い。プレズントンやパンコーストのときと同様に、パピットの貢献は充分に評価されなかったが、光と色に対する関心が高まったのは事実であり、現在でも光と色に対する興味は尽きていない。1880年代および90年代に、パクテリアの多くは紫外線に敏感であることがわかった。この発見により、紫外線は医療用であるなしにかかわらず、抗バクテリア剤として広く利用され始めた。病院や手術室の殺菌ばかりか、傷、やけど、呼吸器の治療のも使われた。
|
|
紫色の絵画
藍色の絵画
青色の絵画
緑色の絵画
黄色の絵画
オレンジ色の絵画
赤色の絵画
|
|||||||||||||
光による様々な効果
|
|||||||||||||||
サイトマップ|サイトポリシー|お問い合わせ Copyright©Kazuo Murata. All Rights Reserved. |